鉄の夢/配布元:無名工廠

 予定よりちょっとだけ早めに書く。“あの”付きで呼んで差し支えないだろう、あの鉄の夢の感想。
 しかし紹介したのが順に同人屋兼戦闘狂→戦闘用アンドロイド→傭兵ってのはどういう因果なんだろう。
 
 このゴーストは元特殊部隊の傭兵(現在休職中)の中島栄子と、古本屋店主で糸目うにゅうなもにゅうのコンビ。
 栄子は外見的には普通の少女(スコップ除く)だが、軍事行動におけるハウトゥの豊富さは全く洒落になってない。
 なにしろ全トークの三分の一から半分くらいが“実践的な”軍事知識である。
 ちなみにトークの総数は800に達さんとしております。端的に言って栄子さんすっげえ強そう。
 
 それで栄子の性格面はどうかといえば、天は二物を与えている。
 頭を撫でられると複雑な反応を見せたり、自分の体型を気にしてたり、そこはとても女の子らしい。
 アレだ、少女に与えられたのは大きな銃と小さな胸って奴だ。違うか。
 他にも古本の買い方が明らかに玄人のそれだったり、料理を練習してたり、ヨーグルトが大の好物だったり。
 個性とは、矛盾なく積み重なる事と間断なく稼動する事に意味がある記述だ。
 そんな俺の考えが正しいかどうかは知らないが、栄子の個性(キャラクター)はかっちりと確立されている。
 
 どのくらい確立されているかと言えば、普段のトークも深く考えると怖い結果になるくらいに。
 彼女は自分にとって役に立つ知識と、他人にとって役に立つ知識の区別があいまいだったりする。
 自分にはこれくらいしか話題がないからとかじゃなく、素でそれがユーザの役に立つと思ってブービートラップの破り方を伝授しようとしたりする。
 学校の友達相手でもこんな感じなんだろうか、とか考えると萌え。級友達を言葉に詰まらせた後に、逆に色っぽい話題を振られて言葉に詰まる光景を想像すると二度萌え。
 
 つまり性だったり恋だったり愛だったり、とにかくそういう話には疎い栄子だ。
 ベタかもしれないが俺としてはそこも可愛いと思う。確固としたキャラにいじりたくなるとっかかり、素晴らしい。
 そう、いじりたくなるのですよ! 彼女の性格を! いわば逆用して!
 たとえば彼女に間違ってもポルノではないが性的な表現を避けては通れない書籍、そう例えば『語り手の事情』辺りを貸し出した後でその感想を何食わぬ顔で聞いてみたいと! そう思わないのですか、君は!(病院へ)
 
 病院はともかく、やはり弱点のない良ゴーストだと思う。
 んー、強いて言えば栄子の軍事話に対するもにゅうのツッコミがワンパターンとか? 雑学を伝達するだけならそれで別に問題ないんだが。
 でも、もにゅうも案外いいキャラしてる。
「…手出したらあかんで。大丈夫やろうけども」とか、ゴーストとしては貴重な大人の視線。
 あ、そうだ。
 今後もうちょっと現実に近い設定のゴーストを作れたら、彼女達と絡ませてもらうよう頼んでもいいかもしれない。