3/15のうかべんについて補遺
先日のうかべんでは、スピーカーとしてゴーストに関わる創作論を喋らせていただきました。
お聞き苦しい点も多々あったかと思いますが、ご静聴いただいた皆さん、またネット上で資料に目を通していただいた皆さんに感謝します。
ただ、講演では喋り足りない部分も少々ありましたので、それについて文章でも補足などしてみようかと思います。
まずこの講演では、作品の最も面白い部分である「コア」を定義し、それを成り立たせるために計画を立ててゴーストを作ろう、というような事を喋っていました。
でも、誤解を受けた方もいるのではないかと思うのですが、実はコアは複数あっても構いません。
実際に、拙作であるヴィイのコアは一つに特定できません。
講演の原稿では「最も惹かれるものをコアとして抽出する」なんて書いちゃったけれど、大作を作る気なら複数あった方がいいくらいかもしれません。
ただコアが多いほど作品を完成させるための労力が増してくるのは確かです。
またコアがあまりにも多すぎるとさすがに作品が散漫になってくるので、だいたい3つくらいが限界としての目安になるでしょうか?
またこの講演で言うところの「重みづけ」の必要性について。
ここでは重みづけというのを、コアの描写のために必要な感情移入をうながす行程として書いています。
つまり、コアの面白さを伝えるにおいてキャラへの感情移入が必要ないなら、重みづけも必要ない訳です。
感情移入というものはとても強力な効果を持つので、いちがいに必要なさそうなら切り捨ててしまうべきとも言えません。
ただキャラへの感情移入を絶対視する必要もない、とは言えますね。
重みづけの過程を抜いてしまえば、この講演が応用できる範囲もより広がるかもしれません。
さらに細かいヒント的な事も、以下に少しだけ書いてみます(簡潔に書く都合上文体も変えています)
全てをひっくるめて、参考になれば幸いです。
- 説明すべき大事なことはなるべく2回、できれば3回書こう。読み飛ばし防止、それが大事なのだと印象づけられるなどさまざまな効果がある。
- 倒置法、重文、複文などをセリフ上で使うとちょっと芝居がかって見える。日常的な雰囲気を出したい場合は気をつけよう。
- 常識的には必要だが、コア描写には必要ない部分は案外切り捨ててもどうということはない。例:最近はやりのヤンデレキャラの理性とか倫理とか。
- ゴーストのユーザーには「パソコンを使っている間ずっとゴーストを立たせておく」タイプと、「ゴーストを立ち上げて色々と遊び、満足したら終了させる」タイプがいる。できれば両タイプのユーザに対応できるようなゴーストを作りたいところ。
- タイプというのも一見抽象的な話に見えるかもしれないが、タイプが違うとたとえば想定されるゴーストの起動時間が大幅に変わってくる。